そよ風のような平穏な家庭で育った悠芽。
暴風のような崩壊した家庭で育った遥。
そんな正反対のふたりの少年が、兄弟として一緒に暮らすことになるが──
家族にも友達にもなりきれない彼らの心象風景を綴る。
【第一章】突然の兄弟
【第二章】隔てるもの
【第三章】相容れぬまま
【第四章】預かり物
【第五章】一番の親友【1】
【第六章】一番の親友【2】
【第七章】厚い壁
【第八章】家族はむずかしい
【第九章】異変
【第十章】抑鬱の闇の中
【第十一章】新学期
【第十二章】イジメと虐待
【第十三章】ざらついた日々
【第十四章】踏みこめない
【第十五章】不穏のきざし
【第十六章】張り裂けるとき
【第十七章】彼の中の暴風
【第十八章】相談できる存在
【第十九章】偽善者
【第二十章】初夏のある日
【第二十一章】昼休みの出来事
【第二十二章】午後の太陽の下
【第二十三章】彼の人生なら【1】
【第二十四章】彼の人生なら【2】
【第二十五章】答案用紙
【第二十六章】許しがたい名前
【第二十七章】教師のそれぞれ
【第二十八章】精一杯の嘘
【第二十九章】晴れない心
【第三十章】焼きついた傷
【第三十一章】大人は情けない
【第三十二章】生徒指導室にて
【第三十三章】くつろげる時間【1】
【第三十四章】くつろげる時間【2】
【第三十五章】血飛沫が走って
【第三十六章】腕の痕
【第三十七章】曇った物思い
【第三十八章】家族として
【第三十九章】反射する鏡
【第四十章】堕ちる前に
【第四十一章】逃げるしかできずに
【第四十二章】殺意
【第四十三章】行方不明の末
【第四十四章】紅の悪夢
【第四十五章】赤をたどって
【第四十六章】中枢に根ざす傷
【第四十七章】終業式の日に
【第四十八章】力になれるなら
【第四十九章】熱帯夜
【第五十章】これが兄弟
【第五十一章】夕食時の会話
【第五十二章】彼が話したいこと
【第五十三章】ふたりの対話
【第五十四章】帰宅の条件
【第五十五章】悪循環
【第五十六章】親友のそばで
【第五十七章】朝の帰宅
【第五十八章】心が崩れるように
【第五十九章】欠け落ちた光景
【第六十章】沈黙の向こう
【第六十一章】襲う嵐
【第六十二章】風の色
【第六十三章】壊れていく絆
【第六十四章】はちきれる想い
【第六十五章】近づくために
【第六十六章】ここが僕の家だから【1】
【第六十七章】ここが僕の家だから【2】
【第六十八章】秋から冬へ
【第六十九章】新しい家族
【第七十章】回顧の朝
【第七十一章】それでも救いたくて
【第七十二章】帰路での想い
【第七十三章】消える息
【第七十四章】野生の風へ
【第七十五章】手がかり
【第七十六章】荒波の手前
【第七十七章】海風の中で【1】
【第七十八章】海風の中で【2】
【第七十九章】君と手を握る